旅に出よう、まだ見ぬセカイを求めて

気の向くままに本の感想とイベント日記

僕と君だけに聖夜は来ない

 

僕と君だけに聖夜は来ない (角川スニーカー文庫)

僕と君だけに聖夜は来ない (角川スニーカー文庫)

 

タイムリープもの

「好きだよ。理一、君が好き」聞きたかった言葉、やっとお互いの気持ちがわかった瞬間、世界は二人に牙を剥く。

 

てな感じで告白された瞬間になつみは命を落としてしまうためそれをどうにか回避する、そんなお話

タイムリープといえばシュタゲ、という印象だったのでこの手の話は理解しやすかったです。確定した未来を変えるにはどこを変化させればいいのか、またバタフライエフェクトでどうなってしまうとか色々と考えることが出てきます。

この作品はなつめと理一の甘い部分も含みながらも未来の収束性、運命の理不尽さを描いたりしていてとても辛い作品でした...しかし苦難があるこそこの結果の価値は大きくなるわけでその点に関していえばそこそこ楽しめたかなと思います。

シュタゲを知る前だったら文句なしにいい評価だったかもしれない。

 

 

 

ラノベにおいてタイムリープモノは特に鬼門だと思います。その理由が内容の薄さ。

1巻でまとめることを意識しなけれいけないため、基本この作品のような甘々な部分とその甘い部分をどう守るか、この苦しみからどうやって解放されるのかという葛藤を描いた作品になる。また1巻構成に落ち着けるため続きを書くのも難しい...そんな様な気がします。

 

タイムリープものはシュタゲを比較対象として出してしまうのですが、今回主人公が失うものが少なかったと感じました。最初、普通のラブコメで温めておき、5巻くらいに実はタイムリープものだったのよ、行った感じだと今までのことをなかったことする代わりに助かるとか葛藤が描かれる作品になると色々な感情が描けてすごい面白そう。しかしラノベは1巻でオチをつけなければいけないためやはりそこらへんは厳しい、読者も方向性が変わるわけですから裏切るわけですし(まあ基本面白ければついてくると思いますが)

 

てな感じで タイムリープ初めて触れる作品にしては普通に完成度高いですしおすすめ(ラノベでは鬼門であると思いますが)

これを読んだ人は是非シュタインズゲートもどうぞ