旅に出よう、まだ見ぬセカイを求めて

気の向くままに本の感想とイベント日記

下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。

 

 

野村美月先生の新作。内容はラノベ作家モノで、要約すると新人賞の第一選考を氷雪が突破するために青が下読みの経験から手伝っていくそんなお話。

 

このラノベ作家モノでは作品の描写を力を入れているような印象を受けました、そして作家に大切なものはなんなのか。

作品を通して主人公たちの気持ちを表していたりしていてとても楽しめました。キャラの魅力を語るシーンですが、別離もあったりで互いに思いを伝えあえられないないもどかしさのシーンは本当に好きだなと感じた。

相手が他の異性と絡んでいる場面を見かけて自分なんか、と思ってしまい距離を置こうとする...すごくいい!やっぱ恋愛はこうじゃなくちゃね。ただ甘いだけなのもいいけど、浮き沈みつけることによって沈んだ後のシーンの持ち上げがめっちゃ映えると思うので。

 

あとは本についての考え方。昔はただ面白いかどうかを判断して物語を受け取ってきましたが、最近は作家モノを読んだ影響かこの作品で作者が伝えたかったことはなんだったのかなーとよく考えるようになりました。(4年目でとか遅い)

ある人の言葉を借りますがおもしろくない作品なんてないのです。自己陶酔でもなんでもいい。誰かに面白いものだからと伝えたくて物語は大抵紡がれています。ですので最近は合う合わないで考えるようになりました。昔の自分はグサグサと遠慮のない風な感想を書いていたと思うので今後矯正できればなと思いますw

 

本を読む認識、新人賞に対する読み方も変わりましたので本を読んでいる方には是非とも読んでもらいたい1冊です

あと余談ですが装丁!めっちゃ肌触り良かったのが印象的。シュリンク剥いた後1分くらいはずっと感触を楽しみながら興奮してました。あの表紙気持ちよすぐるー!!